拍手有難うございます。
折角なのでお礼文を書かせて頂きました。
アニメとゲームが微妙に混合したお話。
ST☆RISHの専属作曲家春歌ちゃん←ST☆RISHの安定のSpiral図式です(笑)







「あ、一ノ瀬さん!」

事務所寮の一角にあるラウンジ。
そこを足早に通り過ぎようとする目的の人物を見つけて
春歌は立ち上がり声をかけると、ピタリと足を止めたその人物がくるりと振り返る。

「…七海さん、おはようございます。どうしたのです、今日はオフの筈では…?」
「あ…えっとそう、オフなんですよ。よく御存じですね、えっと実は渡したいものがつい先程出来あがりまして」
先程とは何時なのだろう。まだ7時だというのに、また徹夜をしたのだろうか。
あれ程日頃から無理は禁物だと口を酸っぱくして言っているのに。
この人は何処か音也に似ている時がある。話を聞いている様で聞いていない。
けれど人の心に敏感で変な所で頑固だ。それは自分も一緒だけれど。一瞬にして色々な事が頭を駆け巡ったけれど。
これを、と言って差し出された一枚のCDと楽譜にトキヤは目を瞠る。

「…まさか、これは」
「はい!先日のST☆RISH内じゃんけん大会で優勝者には私が一曲提供させて頂くというお話でしたので
早速ですが作曲させて頂きました!」
絶対に睡眠不足であろうに目を爛々と輝かせた彼女に自分もランニング後で目が冴えているとはいえ
別の意味で目覚めさせられそうだ。
白いまるで白魚の様な手が差し出したそれを受け取った瞬間にあまりの喜びにトキヤは自分の手がプルプルと
まるでクップルの様に震えているのを自覚した。

じゃんけんぽん、

「やったぁー!!!七海!!俺優勝したよ!!七海の曲一番に歌えるなんてほんtn」

じゃんけんぽん、

「レディ、次のシングルは俺のためだけの情熱的な曲をお願i」

じゃんけんぽん、

「おっしゃー!!やぁーっと俺様の番だな!春歌、かっこいいの頼mr」

じゃんけんぽん、

「うわー!僕の勝ちですね、これでやっと春cy」


じゃんけんぽん!!!


「…漸く俺の番r」



自分はこんなにじゃんけんに弱かったのだろうか。
ST☆RISHを結成してからというものある意味リーダー的立場を任せられているからといって
この仕打ちはないのではないのだろうか。
それぞれのソロCDが発売されるために涙を呑んで自分の番を待ち続けてきた。
それがやっと今日、この日に。

「最近一ノ瀬さんはバラード続きでしたのでスピード感がある楽曲に仕上げてみました、気に入って頂けると嬉しいのですが」
目の前でにっこりと微笑んでいる同僚が天使に見える。

「有難うございます…これで漸く私も君の歌が歌える」

どうしようもなくだらしない顔をしているのだろう、自分は今。
少し早めに部屋を出たので今から部屋に戻って音源を携帯に落としてからでも十分に間に合うだろう。
早く聴きたくてソワソワしてしまう。自分らしくないとはいえ、何時も彼女の前ではらしくない自分を見せてしまうので
最近は少しだけそれにも慣れてきた。



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