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「雲雀」
応接室の椅子に座って、小さく呟いてみる。
隣には本を読む雲雀恭弥さん。
「何」
めんどくさそうな返事が返ってくる。
それでも返事をしてくれる、雲雀が大好きなんだけどもね!
「私、お暇です」
かまってくれなくて、かといって好きな人の前で本を読める余裕はまだ私にはなくて。
でも雲雀さんは「そう」、と言ったきりまた目線を本へ戻してしまった。
「何か、お喋りしませんか?雲雀くん」
「いいよ」
「……え、と」
「話題がないのにふらないでよ」
ふっと笑って雲雀がこっちを見てくれた。
私雲雀が笑った顔、大好きだなぁって思って、
胸がキュン、てなる。
「あ、じゃ、じゃぁね!
しりとりしようよー!!!」
「いいよ、君からね」
意外にもあっさり了解がもらえて、
少しビックリしてしまった。
(絶対呆れられると思っていた)
あの、あの雲雀恭弥がしりとりするなんて、誰も知らないだろうなぁエヘへ!
「え、えとね、わたし!」
「(私…って一人称だよ)
屍」
「し、しかばね!?!?
(怖いんですけど…雲雀)
ね、ねんど!」
「(発想がわからないよ)
独房」
「(……)
う…うろこ!」
「(……)
拘束具」
「何読んでるの雲雀のバカァァァ!!!
怖いよさっきから!」
「君の、負けだね」
抱き寄せて、口付けされて、結局私は勝負でもリアルでも、
雲雀恭弥には勝てないんだ。
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