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 読切SS『クローゼット』(リク × ミカ)

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 「ミカさんは綺麗好きですか?」
 「あん?」
 「いつ来ても部屋が綺麗です」
 「別に普通だ」
 「すっきりしてます」
 「あんま物欲ねえからな。そもそも物が少ねぇんだよ」
 「あの……」
 「あん?」
 「クローゼット開けてもいいですか」
 「あ? 別にいいけど」
 「失礼します」
 「おー」
 「……」
 「……」
 「……」
 「無言で妙なもん差し出すのやめろや」
 「……ミカさんこんな服着るんですか?」
 「誰が緑の全身タイツ着るんじゃボケ。その段はジロだ」
 「ジロさんが……?」
 「誰かに着せたんだろ。知らねぇけど」
 「なるほど」
 「……」
 「……」
 「……」
 「ミカさん」
 「あん?」
 「この服大きくないですか?」
 「あーそれシンの段」
 「シンさんの」
 「あぁ、あいつもたまに泊まりに来るからな。服置いてるんだよ」
 「なるほど」
 「……」
 「……」
 「……」
 「ミカさん……」
 「あーん?」
 「あの……」
 「なんだよ」
 「ここにある……女性の……ピアスは……」
 「それヨリの段」
 「あ……」
 「……」
 「えっと……」
 「あん?」
 「……どのような女性ですか?」
 「ん? 男だぞ」
 「え?」
 「そういう奴なんだ。まぁ良い奴だ」
 「なるほど」
 「……」
 「……」
 「……」
 「ミカさん」
 「あん?」
 「この段には何も入ってません」
 「おーそうだな」
 「どうしてですか?」
 「あ? いれるもんがねぇんだよ」
 「あの……」
 「なんだ」
 「……俺の服を入れてもいいですか?」
 「おーいいぞ」
 「本当ですか?」
 「おん」
 「明日持ってきてもいいですか?」
 「おん」
 「パジャマとパンツと私服と練習着持ってきます」
 「好きにしろ」
 「ありがとうございます」
 「おー」
 「……」
 「……」
 「……」
 「……おい」
 「はい」
 「お前さっきから何ニヤニヤしてんだ」

 クローゼット【完】
 2018/09/18



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