『大きなのっぽのお姫様』靖男×千尋







 千尋が眼鏡をかけて、何やら真剣な表情で、パソコンを弄っている。


 レポートは昨日で終わったと言っていたので、はて、と靖男は首を捻った。


 基本的に彼は、必要なとき以外はパソコンを使わない。


 ぼーっとインターネットをし続けてしまう靖男とは、わかってはいるが、何もかも正反対だ。


 風呂から靖男が出たことにも、千尋は気づいていない様子だった。


 何をそんなに夢中になっているのか気になって、後ろからそっと近づいていく。


「わっ」


 声をかけると、千尋の身体がびくんと跳ねて、その勢いで、マウスを握る指に力が入った。


「ちょっ、神崎……っ、て、わー! わー!?」


 物静かな性格である彼が喚く姿は、もっと珍しい。靖男は画面を覗き込んで、あーあ、と言った。


 彼が真剣に見つめていたのは、通販サイトだった。


 ただの通販サイトではない。アダルト系のサイトだ。


「ろ、ローションがっ、そろそろなくなりそうだったから、それを買っただけだからね!?」


 と、千尋は言い訳するが、靖男は信じなかった。


 ローションやゴムを購入しただけなら、指が滑って購入確定ボタンを押したときに、あんな風にあせるはずがない。


 千尋の妨害をなんとかかわした。


 背の高さなら千尋の圧勝だが、彼は腕っぷしはそんなに強くないし、何よりも靖男のことが好きだから、実力行使に出られない。


 まぁそんなところも可愛い奴だ。


 靖男が購入履歴をクリックすると、千尋は悲鳴を上げた。


「あー……うん」


 そういえば最近は、愛の交わりもオーソドックスで、大人しかったかもしれない。靖男は自分の不甲斐なさを反省した。


 千尋は顔を真っ赤にして、「ち、ちが、これは……その」と、弁解をしようとするものの、不可能だと自分でもわかっているらしい。


 靖男はぽん、と千尋の肩を叩いた。


「……とりあえず今晩は、寝かさないから」


 靖男の言葉に、千尋は顔から火を出しながら、「……はい」としおらしく従ったのだった。





(ちーちゃんが何をぽちっとな♪したのかは、ご想像にお任せします)








拍手ありがとうございます。この声援を励みに、更に精進して参ります。
よろしければ拍手を送ろうと思った作品タイトルだけでもお聞かせいただければありがたいです。
感想があるともっともっと喜びます。拍手ありがとうございます。



ついでに一言あればどうぞ(拍手だけでも送れます)
お名前
メッセージ
あと1000文字。お名前は未記入可。