子供と大人(関興)


気をつけてね。危なくなったら私を呼んでね。そう言えば関興は不服そうな顔をした。関興はあの関羽殿の息子で、そんな心配など不要だと分かっている。それでもどうも心配なのだ。守らなければと思ってしまう。

「貴女も、私を子供だと?」
「うーん、そういうわけではないけれど」

私なんかに言われてきっと余計に気分を害したに違いない。もしも私が男性で女性に同じことを言われたらあまり良い気分ではない。言いたい気持ちをぐっとこらえて言わなければ良かったな、と思い苦笑する。

「私としては、貴女を守らせてほしいのだが……駄目、だろうか……」
「え?関興が、私を?」

それよりも自分の身を第一に考えてほしい。いやでも、今そんな事を言ったらまた気分を悪くさせちゃうかなあ。そう思って肯定の意味で頷けば、良かった、と関興は微笑む。

「好きな女性に守られるのは……流石に、男としてどうかと思っていた」

なんだかとんでもない言葉が聞こえた気がするけれど、何もなかったようにそれを流すことにした。成るべく動揺しないように自分自身に言い聞かせる。今は戦の前なんだ。落ち着かなくては。先程まで守らなくてはと思っていた関興の顔が随分と逞しく見える。どうやら今までの考えを改めなければならいようだ。


拍手ありがとうございました!(現在はお礼夢は無双1つのみ)
よろしければ下のチェックをして押してやってください、それだけで充分です。励みになります。



どうぞ何かありましたらご自由に!(返信はresにて)

あと1000文字。

簡単メッセージ