~まるで子供のように~

「―――おい。」
「・・・何よ。」

身体が揺すられる、誰だあたしの眠りを妨げるのは。
そんなもの、口に出さなくたって分かる、だからこそ無視を決め込んだ。
だけど、ぎしりと軋むベッドと不機嫌な声に、そういう訳にもいかなくて。
嫌々ながらも何処か待ち望んでいた自分も居たりしながら、あたしは瞼を開けた。
予想通り、目の前にはグリムジョーが不機嫌な表情であたしを見下ろす姿。

「いつまで寝てる気だ、てめぇ。」
「何処かの誰かさんの所為で眠いのよ。」

じとりとした瞳が見下ろす、それさえも嬉しく感じる自分に複雑な気分になる。
こうして無視でもすればすぐに苛立って声をかけるのも、視線を感じるのも、
どれもこれもが、構って欲しいんだろうなと、自覚せざるを得ない。
今はまぁ、眠いのは本当なので寝返りを打ってグリムジョーに背を向けておいた。
同時に、掌が肩を摑んで来て、すぐに戻されてしまったのだけど。

「・・・何よ。昨日、散々一緒に居たんだから良いじゃない、これくらい。」
「良くねぇからこうしてんだろが。」

溜息を吐くしかない、どうしろと言うのか、この男は。
そうやって摑まれて布団も剥ぎ取られて、睡魔が徐々に遠退いて行く。
あぁ、もう寝直すのは無理なんだろうな、そう思わされながらも、眠いように振舞っておこう。
剥ぎ取られた布団に手を伸ばす、嫌な事にグリムジョーは布団を自分の後ろへと放り投げた。
布団無しで寝ても良いけれど、顔を近付けて来るグリムジョーにどきりとする。
何だってそんなにもすぐに距離を詰めるのか、本当に困るので止めて欲しい。
昨日だって、本当に声がかすれる程に一緒に居たのだ、今日くらいは静かに過ごしたいのに。

「じゃあ・・何が、不満?」
「・・・・・。」
「・・・おやすみ。」
「寝るな。起きやがれ。」

又溜息を吐いた、聞けばグリムジョーは眉を顰めて黙り込む。
言う気はないの?と思わず言いかけたけど、その間はあたしに睡魔を呼ばせた。
うとうととして来る、やっぱり布団無しでも寝てしまおう、と又背を向けようとする。
今度は痛いと思う強さで肩を摑まれた、あぁ折角の睡魔が又遠退いて行く。
これで何も言わなかったら本当にどうしてくれようか、この男。
ただ単に眠りたかっただけなのに、何だか意地になって来たような気さえもしてくる。

「・・・俺が居るってのに、てめぇが俺を見ないのが気にくわねぇ。」
「・・・・・・・・・・は?」
「ッムカつく瞳で見んな!くそ・・!」

がしがしと乱暴に頭を掻いて、盛大に溜息を吐くグリムジョー。
溜息を吐きたいのはあたしだ、と言おうとすれば、その口から出た言葉に、呆然とする。
自分の耳を疑う、っていうのが今一番相応しいと思う、本当に本当?
思わず、目を丸くしてるんだろうなぁという瞳で眺めていれば、グリムジョーはそっぽを向く。

「・・・・・(熱い)」

そっぽを向かれて、顔は見えないし見えそうな頬も仮面で隠れてる、だけど。
隠れない耳が赤く染まっているように見えて、あたしの肩をしっかりと摑む掌も、熱い。
徐々に、あぁこれは聞き間違いじゃないのかと、思わされる。
本当にどうしたら良いんだろう、自惚れても良いと、そう言うのだろうか?
くっと喉を鳴らしかけて、慌てたように枕に顔を埋めておく、頬が熱くて堪らない。

「―――グリムジョー。」
「・・・んだよ・・・。」

枕から少し顔を上げて、少しは治まっただろうか、頬に指先で触れた。
未だ熱い、緩みきった頬がだらしないと思う、それでも名前を呼んでみる事にする。
視線を感じる、そうして少しすれば聞き返してくる、何処か気まずそうな声で。
やっぱり喉を鳴らして笑ってしまう、嬉しくて嬉しくて、止まらない。

「子供みたい。」
「っだとこら・・!」

笑みを浮かべて顔を向けた、ムッとした表情を向けて来る。
それでも頬が赤く染まっている所為で、余計に笑ってしまう、何て珍しい表情なんだろうか。
こうやって彼をからかえる事なんて滅多に無い、だからこそ止める事が出来ない。
詰め寄る彼に、何となくこれからどうなるか予想は付くけれど、まぁ良いとしておこう。
どうせもう睡魔なんて完全に無いのだし、寝る事は既に諦めてるんだから。
子供みたいに嫉妬深い、彼の我侭に付き合ってやろうじゃないか。


END


ふっと浮かびまして、ついつい書いてしまいましたグリムジョーさんでしたv
ヒロイン設定は一応考えて無いんですけど、唯一書いた1本を参考にしてる、つもりです。
昼寝試みたらグリムジョーさんが部屋に来て構えと言わんばかりに起こされたって事で。
・・・とかいう事を書いていたら構って欲しがる子供のようだなぁ、と思ってしまいまして。
子供みたいに些細な事で嫉妬丸出しにする独占欲の高さを希望したいですグリムジョーさん!
身体の関係はあるけど恋愛関係はあんまり進展してない、そんな二人でしたっ。

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どのジャンルがお目当てなのか、教えて下さると嬉しいですv
同じく、誤字脱字発見のご報告も頂けたら助かります(笑)

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