〜手の平〜

「強くなりてーな、ルヴァイドみたく。」
「十分、強いと思うが?」

コーヒーを片手に、呟いてみた。
すると本を読んでいたルヴァイドが、振り返る。
苦笑して、呆れたように、俺を見る。
ゴクリとコーヒーを口に運ぶ。
苦いブラックコーヒーの味が、口の中に広がる。

「何処が?」
「・・・・・・・・・・全て?
「いや聞いてんの俺だから。」

聞き返すと、真顔で、しかも疑問系で言われた。
思わず手を左右に振りながら、それに突っ込んだ。
全てって言われても、そう思う事は出来ない。
だって俺は弱いと思うから・・・・特に、心が。

「・・一つ、聞いても構わんか?」
「あ?良いけど・・・何?」
「何故、強さを求めるのだ、お前は。」

パタンと読んでいた本を静かに閉じて、まっすぐ俺を見る。
返事をしながら椅子に座り直すと、ギシリと音を立てた。
ルヴァイドの言葉で、ピタリと動きが止まった。
・・・一瞬だけ、遠くを眺めた。

「・・・強くないと、無力だと、全てを失いそうだから、かな・・。」

ほんの少しだけ苦笑して、ルヴァイドと目を合わせる。
弱い自分が嫌い、無力な自分が嫌い、強くなければ何も出来ない。
大切な者を守る力が欲しいから、戦う力が欲しいから、強くなりたい。

「・・・・・そうか・・・。」

そう言うと、ルヴァイドは何も言わなかった。
少し後悔した様な、そんな顔に見えたのは気の所為だろうか。
・・・気の所為にして置こう、俺の為にも、ルヴァイドの為にも。
そう思いながら、俺はコーヒーを飲み干した。
飲み干して椅子から腰を上げようとした、ら。

「・・・何?」
「いや、意味は無いんだが・・。」

腰を上げようとしたら、頭に置かれた、ルヴァイドの手。
頭に置かれてるから、見上げられない。
だから視線だけをルヴァイドに送って、聞く。
聞くと、返事をしながらルヴァイドは俺の頭を撫でてくれた。
・・・父さんのように、大きな手の平。
それに撫でられるのが何だか嬉しくて、気付いたら笑みを浮かべていた。
俺が笑みを浮かべたからなのか、ルヴァイドも笑みを浮かべてた。
こういう日もたまには良いな。


END


拍手お礼、ルヴァイド様ドリーム、でした。
サモ2連載ドリ主2視点で御座います。
・・・お父さんの手呼ばわりされてるルヴァイド様。
ある意味あの方は黒の旅団の保護者的立場ではないでしょうか。
恋愛感情が出来るまで時間がかかりそうです、頑張れルヴァイド様!(笑)

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どのジャンルがお目当てなのか、教えて下さると嬉しいですv
同じく、誤字脱字発見のご報告も頂けたら助かります(笑)

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