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お礼文は、PH/ブレシャロ、うたプリ/翔春と砂春、APH/英白、です。





15 years ago (いつかの記憶の少女→)

キッチンから何やら不審な物音がしたのは日付も変わろうかという時刻だった。
そろそろ仮眠を取ろうかとしていた矢先に、小さいがガラスの割れる音が聞こえたのである。
食器かなにかだろうか?
コック達も眠っているはずだから考えられるのは――

キッチンを覗くとやはり灯りはついていたが誰もいない。
シンクには皿が割れていた。音の原因がこれだろう。

「誰だ」
威圧するように短く問う。
すると冷蔵庫の裏からひょっこり出てきたのは罰の悪そうなシャロンだった。

「ザクス兄さん」
「一体何をしていたんですか?」

こんな夜中にキッチンを散らかしていた真意が分からない。

「えっと、その、お母様が体調を崩されていて。それで私がお身体に良いものを、作って差し上げようとしたんです……」

半ば涙ぐみながらシャロンは自分の作ったモノを見せた。

「なんですか、これは?」

クリーム色をしたどろどろの液体、としか表現出来ぬようなモノがお皿の上には乗ってあった。

決して問い質すような言い方はしていないつもりだったが、シャロンは俯きみるみるうちに涙が零れていった。

「プディング」

成る程、言われてみれば確かにプディングのようだ。

「料理長さんが作り方教えてくれたんです。それで皆に内緒でここ使っていいよって。でもっ、こんなんじゃ……」

失敗したプディングを人差し指で掬って舐めてみる。
生焼けだったが見た目以上にはちゃんとプディングの味をしていた。

「味はおかしくないですね、焼く時の時間か温度を間違ってしまったんでしょう。レシピはありますか?」






結局はほとんど私が作ることになってしまったが、それでも出来たプディングを見てシャロンはとても喜んだ。


「わぁ、すごく美味しそう! ザクス兄さん、ありがとう」

プディングをそぉっと冷蔵庫に入れ冷やすと眠気が襲ってきたのかシャロンはくず折れそうになった。

「シャロンっ!」
「あ、すみません。ぼーっとしていました」
「ほら、お部屋まで送りますから」


手を取ってシャロンの部屋まで向かった。
「おやすみなさい」
シャロンは目を擦りながらほとんど寝言のような挨拶をしてベッドに入っていった。


日付けはもうとっくに変わっていた。
だいぶ無理をしたんだろう。


シャロンもいつか料理が上手になるのだろうか、とかそんな取り留めのないことばかり考えながら眠りにおちていった。












ここで終わったと見せかけて続きがあったり。



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