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拍手ありがとうございました! 現在の拍手内容は 将望×1です 将望・1 とんでいければいいのに 空を見上げる。高い高い、手をどんなに伸ばしても届かない空。 望美は、節が目立ち始めた手を水色にかざして、無駄なあがきと承知で背伸びをしてみる。 届け届けと願っても、届かない。 届かせたいのは―――彼女の願う、その終着点は。 360度、ぐるりと見上げたまま回ってみても、可の人がいる空の終着点など見えるわけもなく。 だが異世界ではないのだから、終着点まで走っていけば、あの人がいるはずなのだ。 いるはず。 でも、いたから、どうだというお話なわけで。 「はぁ………」 大きな背中を思い出した。頑なに望美を拒絶し、平家を庇護しようとするその姿勢。 望美は、将臣に傍にいてほしいと思っても、自分が胸に抱えるものと同じ光を抱く彼に それを捨てろといえるはずもない。 双方、相手への愛情が上に立つ者として許されず、天秤にかけたら仲間に軍配があがったから、敵対しているわけではない。 よく互いの考えがわかるからこそ、必死になる姿を目にとめ、 ああ、譲れないのだな、と理解しあって相手を尊重し、敵対してしまうのだ。 ある意味、幼馴染の悲劇ではないだろうか。そう望美は思う。 「もっとよく知りあってなかったら、相手のことなんて考えないで愛情だけで、胸に飛び込んでいけたのになぁ……」 素直になって、力いっぱい地面を蹴り、青空をダイブしていつだって笑って抱きとめてくれた 将臣の元へ飛んでいきたい。 抱きとめてほしい。女の性はそう声高く叫ぶ。 「でも、それじゃ私の好きな将臣くんじゃない」 しょーがない。 愛だけに盲目になって、一度心に招き入れた味方を手放せるほど、恋に優しい相手じゃないから。 今までの全てを投げ出して、望美を求めることを複雑な感情の波においても、望美自身、奥底では望んでいないと将臣はよく承知しているだろうから、それをしないのだろう。 もしも望美が、恋を優先して我儘をはけば、あの呆れた笑顔でしょーがねーな、とぼやきながら付き合ってくれたのかもしれない。 けれどそんなこと言うくらいなら斬ってもらったほうがマシとさえ思うし、そんな奴なら斬られてしまえとも考えてしまう。 望美に盲目になった将臣なんて、そんな簡単で面白くないのは将臣じゃないとさえ考えてしまうから、笑える。 だから、しょーがない。 呟いた言葉が、慰めにもならず苦すぎた。 逃れようもなくのしかかってくる現実に望美は唇を噛む。 振り上げた手の血が下り、温度をなくし始める。 「……一度でいいから、普通に付きあってる時空にいってみたかったな」 何度飛んでもそんな時空などありはせず、彼は彼で私は私だった。 でもどこかにそんな、嘘みたいな夢があるって信じてみたかったの。 ただの男と女でありたかった。思いっきりバカになってみたかった。 贅沢な望みかな。何の障害もなく、好きって言い合える時空を愛することは。 手を繋いで、笑ってみたかった。 いっぱい困らせてみたかったし、いっぱい笑いあいたかった。幼いころのようにずーっと、続いていくものだと 無条件に信じていた頃の、彼の笑顔が今は歪んで見えない。 今どこにいるの。 どうして傍にいてくれないの。 傍にいてよ、傍にいたいよ。 冷たくなった腕を下ろしてさすっていると、急に降りだした雨を膝に感じた。 雨は一粒落ちると、次々と土で薄汚れた膝を濡らしては洗って、元々白かった肌をあらわにする。 今まで雨を降れば、すぐ隣で優しい傍にいて、頭をぐしゃりと撫でて屋根をつくってくれた彼はもういないのだと実感できてしまって、 どうしようもなくまた、やりきれなくなってしまった。 望美が顔をあげるまで、青空のもとで雨はしばらく降り続けた。 終 ** 久々なのにくらい話ですみません。 十六夜記購入したので、原点回帰でVS状態のお話にしてみました。 |
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