※創作【魔女狩り】 ヘリオスくんが嫉妬して自己嫌悪に陥る俺得小話










何故か僕はその光景から目が離せなくなっていた

見知らぬ男と彼女が親しげに話すその光景が

眩しくて楽しげで嫉妬した…

あいつは誰?

何を話してたの?

あいつの事どう思ってるの?

僕よりその男と居た方が…楽しい?

そいつの事…好きに…なった…?


不意に涙がこぼれだした

耐えきれなくなってその場から逃げ出すように離れた

泣いていることを周囲に悟られないように俯いて出来るだけ人目に付かないベンチに腰掛ける


歩いている間頭に浮かんだのは彼女を取られたくないの一言

だが彼女は自分のモノじゃない

彼女を縛り付けることは自分には不可能だ



いっそのこと好きだと告げてしまおうか

そうすれば少なくてもこんな気持ちにならないのではないだろうか

しかし自分の想いを知って彼女はどう思うだろうか

軽蔑するだろうか

受け入れられないだけならまだいい

彼女が自分から離れていってしまうかもしれない

それだけが怖くて言えずにいる

彼女のそばに居れるのならば自分の気持ちに蓋をしようと努力してきた

でも駄目だった

好きだ

どうしようもなく彼女が愛しく誰にも渡したくない

彼女が欲しい…

彼女の事を考えれば考えるほど苦しくて涙が止まらない

必要以上に臆病者になる

君に触れたいよ…


「エルリカ…」

「…なんだ?」

「え…?」


独り言で返事など返ってくると思っておらず驚いて顔を上げれば

目の前でしゃがみ込んでこちらを見上げる彼女と目が合った


「え…?エルリカ?なんでここに?」


さっき向こうで会話していたはず…

訳が分からず困惑する僕に自分の服の袖で涙を拭いながら呆れたように言う


「お前が居ると思ったら泣いてるように感じて追いかけたんだよ」


そしたら案の定泣いてるし、とため息を吐かれたが拭う涙を拭う手は優しかった

それがまた涙を誘って大粒の涙を流させる

困ったようにこちらを見上げ立ち上がる気配がして、飽きられたかなとまた泣きそうになった


「泣くな」


ふわりと甘い香りに囲まれたと感じた時には自分が彼女に抱き締められていることに気付く

優しく子供をあやすように頭を何度も撫でて落ち着かせようとする彼女に愛しさが湧いた

今なら許されるだろうかと縋るように抱き締めれば背中をポンポンとさすってくれた


(いつか…いつか彼女に好きだと言えますように)



(3/3)

************

文章製作に詰まって書いたお話です。





こっそりリクエストを受けてみる。
お好きなCP、シチュエーション等がありましたら下のコメント欄にお名前を添えてご記入下さい。



何かありましたら下の一言コメントへどうぞ。

また拍手お返事は日記の方でさせて頂きます!



ついでに一言あればどうぞ(拍手だけでも送れます)お返事は日記の方でさせて頂きます☆
お名前 URL
メッセージ
あと1000文字。お名前、URLは未記入可。