BasaraキャラがDFF入りしましたよその①
フリオニール&伊達政宗
(たぶん同い年+複数武器コンビ。装備交換してみました)
黒く塗られた鞘に納まった、合計で六振りの曲刀である。
抜き放ってみると、さえざえと美しい白い刃があらわれる。こんなに美事な刃は見たことが無い、しかも、それがまるでそろえたかのように、まったく同じ様子で六振りも揃っている。
「これは……」
フリオニールは、思わず感嘆の声を漏らす。
背中に背負ったもの、腰に佩いたもの、足に隠したもの。確認のためにすべて抜き放ち、目の前にずらりと並べてみる。
盾も数えにいれるなら、合計で八種類ほどもあるだろうか。どれも見慣れない意匠の装飾を施した、しかし、使い込まれて馴染んだ様子の武器ばかりである。細い刃の直刀は見慣れない赤い金属の刃を持ち、手に持ってみるとどこかしら怪しげな気配を纏っているように思える。ならば弓はどうだ。ぴんと張られた弦に指をかけると、尋常な膂力では引くことも叶わないだろう、強靭な張りを伝えてくる。
「……ほう」
政宗の口元に、笑みがこぼれる。
「見事な剣ばかりだ……! こんなに切れ味の良さそうな剣は初めてだ。しかも、これだけの数をそろえてあるとは」
驚いたよ、とフリオニールは感嘆の息を漏らし、背中合わせに座った政宗のほうを見る。政宗は肩越しに振りかえると、「当たり前だ」と余裕たっぷりに顎をしゃくってみせた。
「自慢の六爪、そうそう国を離れた位でナマクラ扱いされるようなしろものは打たせてねぇよ」
「打たせた? ……国?」
「刀匠に特別に作らせた。オレの宝の一つだ」
それはすごい、とフリオニールは唸る。政宗は手に持った弓を、ためすすがめつ眺めている。こちらも、刀剣を見定める目になっていた。金属で作られた弓は硬く、弓を引くだけでも一苦労だろう。
「お前のほうはずいぶんとfreakなモンを身に付けてるんだな。なんだ、この数。一度の戦場でまとめて使うのか?」
「使う。それが俺の流儀なんだ」
フリオニールの答える声も、いささかばかり誇らしげだった。
「一番の得意は弓だが、その場に合わせて全てを持ち帰る。手斧もナイフも、槍も。一度にまとめて複数の武器を使うこともあるな」
ヒュウ、と政宗が口笛を吹いた。
「弁慶みてぇだな」
「ベンケイ…? まぁ、手数の多さが俺の長所みたいなものだからな。どれが一つ欠けても全力は出せない。俺の大事な武器たちだよ」
「なるほど」
ふと政宗が、弓を片手に立ち上がる。矢を番え、弦に指をかけた。グッ、と弓を引き絞る。きりきりと、満月のように限界まで引き絞ったかと思うと、ぴたりと腕が静止した。矢を放つ。まるで、流星のように、まっすぐに闇の彼方へと放たれる矢。
短く口笛を吹く。政宗が見下ろすと、フリオニールが目を丸くしていた。
「君は、弓矢も装備できたのか!」
「It`s me. そんなに得手ってわけでもねえがな。せいぜいが嗜みに身に付けてるってレベルだ」
弓を背に背負い、片手にナイフを抜く。もう片手には片手剣を。ぱしっ、と身軽に短剣を投げ上げ、ひゅっ、と切っ先が宙を切る。ふいに先端を自分に向けられたフリオニールが、初めて驚いたような顔で、それからやがて笑みの混じる表情で、政宗を見上げる。
挑戦的な笑みだった。
「同じ事を考えていたみてえだな?」
「……らしいな。俺も、この片手剣を振ったらどういう感触なのか、確かめてみたいと思ってたんだ」
フリオニールが立ち上がる。左右に佩いた三つ振りづつの刀。柄を握って少し逡巡し、けれど、迷いなく左右にひとつづつを抜き放つ。構えは政宗が知っているものとはまったく違ったものだ。だが違和感は感じない。「So
freak」と政宗が呟く。
「重くないのか?」
「いや、まったく。バランスもいいんだな。手に馴染む。……君のほうは?」
「ややこしいな。だが、悪くないぜ」
政宗は短剣を投げ上げ、また、片手で受け止める。しばらく考えた末、とった構えはフリオニールの見知ったものではない。顔の高さに水平に寝かせるように構えたブラッドソードに、十字にかみ合うシースナイフ。あれで攻撃をいなし、主だった武器にはブラッドソードを使うつもりか。さまざま頭で考えているうちに、胸の中で何かが昂ぶっていく。悪くは無い。フリオニールは笑みをこぼす。悪くない、どころか、最高だ。
「Are you ready?」
「心の準備は出来てる。……なら、お互いの剣にかけて、全力で勝負だ!」
「O.K. 派手にやらせてもらうおうか!」
武器マニアで意気投合。
フリオも恐らく両手利きなので、六爪でも普通に振れることでしょう。
筆頭はお武家さんなので弓においては同じく。なんか楽しそう。