「春ね」

「春だな」

「寝ないでよ」

「あったけえからしょうがねえだろ…」

そして安形は大きなあくびをした。私はその無防備な様子に呆れる。

「あんたは猫みたいね」

「んー?」

ころりと安形が私の膝の上で寝がえりをうつ。完璧に寝る気だな、こいつ。

「猫よ猫。ごろごろしていて、すぐに眠たくなって、じじくさくて」

「かっかっか。そうか」

「ね、そうじろう」

猫を呼ぶように優しく呼んだら、突然キスをされた。びっくりしていたら、安形はやっぱりじじくさく笑った。

「知ってるか。猫はあんまり心を許さないんだぜ?」

春はまだ来ない。でも日差しが暖かいから、私は思わず勘違いをしてしまう。

私は安形が好きかどうかわからない。でも安形が優しいから、私は思わず勘違いをしてしまう。





春の猫


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安形はじじくさい。



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