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・伊達軍の日常
※雪月華幼少期。名前変換は仕様上できません申し訳ありません。

 光輝は大体三月くらいの間隔で髪を切る。梵天丸はふと気になってある日訪ねてみた。
「光輝、また髪の毛切ったのか」
「う?うん、自分で切らないとおかっぱにされちゃうからね」
「きれいな黒髪なんだから伸ばせばいいのに」
「くせがあるから束ねにくそうだけどなー」
 縁側で並んで座って話していると、庭師(のふりをした護衛の忍)が微笑みながら松の木を手入れしているのが見えた。
「オレの髪の毛もくせっけだけど問題ないぞ?」
「おなごは真っ直ぐの方が良いって姉様言ってたよ。どっちにしろ伸ばせないけど」
「なんで?光輝は尼じゃないのに」

 少ししょんぼりした様子で肩を落とす彼女に首をかしげる。
「髪にはね、念とか溜まりやすいんだよ」
「??」
「毛羽毛現って毛だけの妖怪とかいるし」
「毛だけ!?」
 梵天丸のすっとんきょうな声に庭師が振り返るが、異変が無さそうだと判ると直ぐに作業に戻った。

 こくりと頷いた光輝はそれは置いといて、と話を戻す。
「うちの実家の女の人はみんな、髪の毛が長いと霊力とかばさらとか強くなるんだって」
「強くなるなら、なおさら伸ばした方が…だめなのか?」
 言いかけて修正したのは彼女が『強くなる』事に一途だと知っているからだ。

「駄目なの。氷がずっと、ぶわーって出て周りが寒くなっちゃうから」
「……夏にはよさそう」
「おれがしんどくなって寝込んじゃうよ」
「そっかー」
 まだ婆娑羅に目覚めていない梵天丸はのんびりとしているが、光輝は珍しく強い口調で反論した。

「危ないから梵天と一緒に居られなくなっちゃうから絶対駄目なの!」
「そんなに?」
「そんなになの」
 その勢いに押されてのけぞった梵天丸を尻目に少女はふう、と一息ついた。
「もっと修行して、大きくなったら伸ばせると思う」
「じゃあ、大きくなってからのお楽しみだな!」
「うん。癖毛も直るかな」
「それはどーだろ?」



「――とか言ってたな、懐かしい」
「でも、今も短いままじゃん。大きくならなかったから?」
「成実、うしろうしろー」「へ?……あ…光輝、さ、ん!?今日もお元気「ちっちゃいって言うなー!!」っていきなり婆娑羅飛ばさないでー!?」

「…平和だ」


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