「好きだな」
開けた窓からそよぐ風に揺れる彼女の前髪に目を奪われて、気づいたらぽろりと口に出ていた。
馬鹿みたいに目を真ん丸にしてこちらを見る彼女の視線を受け止めるように目を合わせると、自然と笑みがこぼれる。
「好きだよ、お前の事が。お前を取り巻く空気が、お前といる時間が。全部全部、好きだよ。」
溢れる言葉を、想いを、止めることが出来ない。
そんな自分らしくない心中すら、彼女に引き起こされている現象だと想うと
いとしくて、いとしくて、ちくりと痛い。
顔を真っ赤にする彼女の鼻先に口付けたら、放課後の喧騒に掻き消されないように改めてもう一度言おう。
君の事を愛している、と。


end
(拍手3種:告白)
柚木梓馬/柳蓮二/文若)
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