素朴な疑問 「ねぇ、春姫。ちょっと気になったんだけどさ」 「どうしたの、杏璃ちゃん?」 「御薙先生って何歳なの?」 「え?」 「先生って見た目だけなら相当若いじゃない。でも、私たちと同い年の子持ちなのよ?」 「そういえばそうだね……」 春姫は師匠でもある鈴莉の姿を思い浮かべる。 透き通るような白い肌に、艶のある長い黒髪、身長も高く、スタイルは抜群etc…… そこらのファッションモデルよりかだいぶモデルらしい。 とても子持ちの母親には見えない。 「でも、私も先生の年齢は知らないなぁ……」 そう言う会話にすらなったことがない。 というか、女性に年齢を聞くのはタブーではないのだろうか? 「春姫が知らないとなると……あとは雄真ね」 確かに実の息子である雄真なら母親である鈴莉の年齢を知っているだろう。 「雄真〜! ちょっと聞きたい事があるんだけど」 教室でクラスメイトと談笑していた雄真に杏璃は少し大きめな声をかけた。 「ん? どうした杏璃?」 「御薙先生って一体何歳なの?」 ピシッ 教室中の空気が一瞬で凍った。 『この女は何て事を聞いてるんだ?しかも大声で!』 クラスの心は一つになった。 雄真とて例外ではない。確かに鈴莉の年齢は知っている。 でも答えられない…… 決して自分の命をごみ箱に捨てるような事は出来ない。 「ちょっと雄真、聞いて――「あら、柊さん。そんなに興奮してどうしたのかしら?」――ひゃ!?」 杏璃の後ろにはいつの間にか鈴莉が立っていた。 「み、御薙先生!?」 「私が一体どうだというの、柊さん?」 「あ、え……その、は、春姫」 杏璃は助けを求めるように春姫に視線を向けた。 「わ、私!?」 「怒らないから、正直に言いなさい」 その言葉とは裏腹に、その額には青筋を浮かべ、手からは若干魔力が溢れ出ている。 クラスメイト達はいつの間にか教室外に退避している。 春姫と杏璃を助けることのできる人間は教室に残っている雄真だけだ。 「あ、あの……母さん?」 「なあに、雄真君?」 雄真に極上の笑みを浮かべる鈴莉。だがその笑みは見る者に恐怖しか与えない。 それでも雄真は懸命に自分を奮い立たせる。 「うっ……え、えっとそろそろ授業始めないと……」 「あら、本当ね」 春姫と杏璃を睨みつける?鈴莉の視線が少しだけ弱まった…… 「「ほっ……」」 春姫と杏璃は、無事解放されたことに安堵の息を漏らした。 「今日の授業は自習にするわ」 「え?」 「神坂さんと柊さんは私と一緒に研究室まで来てもらいましょうか?」 どうやら彼女たちの人生は今日この日をもって終わりを迎えるようだ…… 2人に憐みの視線を向けるもの、自分は何も見聞きしてないとそっぽを向くもの、冥福を祈っているもの…… 春姫と杏璃は抵抗も弁明もする間もなく拘束魔法につかまり、研究室へと引きずられていった。 「……」 「なぁ、小日向……」 「……どうした、天城?」 「本当の所、どうなんだ?」 「……お前は今のを見て、それを俺に聞くのか?」 「すまん……俺が悪かった」 「分かればいいさ」 この日、1−Aに新たな教訓が、尊い2人の犠牲によって刻まれた。 【御薙鈴莉に決して年齢の話を振ってはいけない】 ――御薙鈴莉研究室―― 「勝手に殺すなぁ!」 「柊さんはまだ私の言う事が理解できてないみたいね?」 「……すみません」 「……私は何も言ってないのに」 適当に10分20分で作ったので脈絡も何もあったもんじゃありません(汗 でも、これははぴねす!プレイヤーなら誰もが思ったはず…… 雄真が16・7だとして22・3の時の子供だとしてもよんじゅ――スミマセンスミマセン(泣 |
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