Thanks For Clap!!




夜8時、外に輝ける月は満月。
大丈夫、大丈夫、わたしはそう自分に言い聞かせながら携帯のペア設定からひとつの電話番号をディスプレイに表示させる。
震える指を何とか動かして、通話ボタンを――押した。

いつもなら3回コールを聞く前に出てくれる。もちろん、忙しい時でなければ。
出てくれるか、出れないか、それが今の最重要事項だ。

「はい」
「…て、手塚さん?」
「他に誰がいる。…間違えたのか?」
「いえっ、や、あの……今、空いてますか」
「ああ、5分ぐらいなら大丈夫だ。どうした?」
「あの、明日お休みだし…、もし良かったら」
「…」

大丈夫、きっと迷惑だとは思われない。がんばれ、わたし。
すう、と空気を吸い込んで、唇を動かす。これだけのことなのに、心臓はどきどきを通り越してくるしい。

「 ……あした、会える? 」


(携帯越しに肯定と、愛しい人の微かな笑みを感じて、わたしはようやく安心した)







★☆★

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■お題提供はリライトさまより。素敵なお題をありがとうございました。



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