拍手ありがとうございます! 銀魂SS? 「なぁ、お前って原付乗れんの?」 ソファーに寝そべりジャンプ片手に、 こちらを見ることもなく銀さんが聞いてきた。 時刻は午後3時。仕事がなく、神楽ちゃんと定春は遊びに出かけている。 僕は万事屋の雑務(というか家事)をこなして一息ついていたところだった。 「なんですかいきなり」 「や、前タカチン救出で族とやりあったときに乗ってたじゃん」 なんか懐かしい話だな。 「一応乗れますけど」 「ああやっぱそーな…」 「無免ですけどね」 そういった途端、銀さんが起き上がり、 ジャンプから目線を僕に移した。 実に意外そうな顔をしている。何だよ。 「…ん?今銀魂で唯一の常識人である新八君から とんでもないセリフが聞こえたよーな…」 「自分に常識がないことは自覚してるんですね。てゆーか無免くらいで 何ですか。僕らもっとマズい事たくさんしてるでしょーが」 「いや、そーだけど。何か意外で」 「だって免許取るにも金がかかるでしょ。ウチにそんな余裕があると思いますか」 「ないわな」 「即答かよ。まぁないんですけど。それに僕銀さんに会う前から乗ってたし」 「えっ15とかで!?何その尾崎っぽいの!!」 「盗んだバイクで走り出したりはしてませんよ。宅配バイトです。てかこのネタ どこまで伝わるんだろう…」 「え、尾崎知らない奴とかいるの!?」 「…多分…で、なんでこんな話になったんです?」 「ん、イヤ、あの…」 「何です、歯切れの悪い」 「お前が原付乗れないなら、この先ずっと移動は一緒に2ケツだな、と思ってよ」 「まぁ車でも買わない限りそうですね。………もしかして嫌でしたか、2ケツ」 「なっ、バカ、そうじゃねェよ!!むしろ逆だ!!」 「はぁ?」 「だから、お前が乗れるなら何も一緒に2ケツして出かけなくてもいいわけだろ。 そしたらこの先2ケツできねーかもじゃん」 「………………」 ええと、要するに、何。銀さんは僕と2ケツで移動したいって事? そのためにいちいち僕が原付乗れるか確認とってた訳…? …なんだろう…この人って…本当… 「あんたバカぁ?」 「…しんちゃん、いくらソレ盛り上がってても10年以上前のアニメだよ」 「いいでしょ別に。今僕の気持ちがシンクロ率100%だったんだよ」 「うまいなお前」 「うまいですかね、そらどうも。つかアンタ本当にバカですか」 「なんでだよ」 「さっき言ったでしょ。免許取る金ないって。 それにこの先も取る気ないですよ、いらないでしょ。 アンタがいてくれるんだから」 「!!」 「いやぁそんなに2ケツが好きだったとは知らなかったです。 じゃあこの後買出し一緒に行ってもらえますか」 「…おう」 やったラッキー、今日お米とか味噌とか買おうと思ってたんだよね。 「じゃあ支度できたら呼びますんで」 「うん、新八」 「はい、何ですか?」 「俺ァアレだ、2ケツっつーかお前が好きなんだわ」 「…は?」 「だからずっと俺の後ろに座っててね」 ………ちょ、え、はぁぁぁぁぁ!? うわぁ今顔がすごく赤くなってんのが解る!はずかし!!! 「下で待ってる」 外に出て行く銀さんの耳が赤かったのを見て、 冗談じゃない事を悟った。 ええええ、ど、どうしよう…!!嬉しい……… ……………………ん?嬉しい…? (なんだ、僕もう答え出てるんじゃん) ただ、返事を口にするのは恥ずかしいから ぎゅっと、あの広くてあったかい背中に抱きつこう。 END --------------------------------------------------------------------------- 「2ケツは仕様です」 これは神のお言葉だと思います。素晴らしきかな日昇アニ銀スタッフ…!!!万歳! |
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