高柳姉弟 ゲーム






title/高柳姉弟 ゲーム





 しとしとと小雨降る外。家の中で、しかし姉のように読書する気にはなれずベッドの上をごろごろと転がる。

 雨音をBGMにして、和巳が本のページを捲る音と部屋の主がぶつぶつと呟く声が部屋には満ちていた。



「ゲームしたいゲームしたいゲームしたい……」

「うるさい」



 手加減なしに本の角で頭を殴られる。

 それクレイオ教諭からの借り物だろ!? しかも結構高価で重要文献だぞ!?

 そう突っ込みたいのに、あまりの痛みに声も出ない。



「――っつ」

「読書の邪魔しないで」

「……姉ちゃんは、オレがゲームできないこの辛さが分かんないんだ……!」

「だって私テレビゲームしないもの」

「そうだね。そのくせ借りてきて俺にやらせるよね」

「かわいい従妹が貸してくれるんだから仕方ないでしょ」

「良くねぇ! じゃなかったすみません良くないです」



 再び本を振り上げられたので訂正して一度落ち着く。

 二人しか居ない空間に雨の振る音だけが静かに流れていた。



 ……あれ、こんな流れじゃなかった気が……



 はっ、と今までなにを話していたのか思い出し、吼える。



「あいつ、姉さんじゃなく俺がやるって分かってて、あえて女性向け貸すんだぜ!?」

「いいじゃない別に」



 色々分かって楽しいんじゃないの、と適当に流す姉。



「ふっ……おかげで五行相関図とか覚えちゃったよ。嬉しくないけど」

「へー」









(九字も切れる中学生だなんて、キャッチフレーズじゃ、なんの役にも立たないよ)











あと1000文字。