ーーーー母親との思い出ーーーー
「ねぇおかあさん
あくりょうはわるいやつだからやっつけるんだよね」
母は強い力を持った巫女であり日頃から先見や悪霊払いをして生計を立てていた
「違うわ」
「え・・」
見上げる俺の間抜けな顔を見てクスクス笑うと視線を合わせるようにしゃがんで言った
「彼らは好きで悪霊なってしまった訳ではないの」
誰も好きで悪霊になりたいとは思わないでしょう?
「ただ、良い物でも悪い物でも思いが強過ぎてしまった場合、執着となってこの世に縛られ、時を経て負の感情やその強い思いだけが残って彼らを突き動かす・・」
「さみしいきもちがつよかったら、ずっとすごくさみしいの?」
「ええ」
かなしくても、くやしくても、くるしくても・・
ずっと・・
ずっと
「そんなの・・かわいそう」
「だから、あるべき場所へ帰してあげるの」
「あるべき、ばしょ?」
「亡くなった者が等しく逝く所・・」
そう言うと悲し気に空を見つめて優しく言った
「だから、彼らを帰した後祈るの」
もう苦しむことが無いように
悲しむことが無いように
「安息を・・・」
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