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(来神時代:シズイザ♀(臨美))





「いたっ」


いつものように新羅とシズちゃんと屋上でご飯を食べていた。

(昼休みは休戦するのだ。

 だってお腹減ったら喧嘩できないし)


三人でうだうだ言いながらご飯を食べてたら、

シズちゃんが突然そう言ったのだった。



「ん?どうしたんだい、静雄?」

「ゴミが入った・・クソッ」



あのシズちゃんが目をぱちぱちして、

涙を流してゴミを落とそうと頑張ってる姿は

とっても新鮮かつ見ていて面白かった。


が、いい加減苛々されて、

その辺の物を壊されたり

暴れて私のお弁当に被害が出ても困るので。



「シズちゃん」

「あ゛?」




シズちゃんの前に座って、目を覗き込む。

シズちゃんは何故か驚いたように凝視してる。





「そのまま、こっち見ててね。

 あ、動かないでよ」

「ちょ・・ッ」





シズちゃんの赤くなった目を見ていたら、

白目のところに、睫毛がのっかってるのが見えた。

さすがに眼球を潰す趣味はないので、

そっと指を寄せて、傷つかないように、取り除いた。





「はい、睫毛入ってたよ。

 取れた。もう痛くないでしょ?」





おやおや、シズちゃん、案外睫毛長いな。

こりゃ痛いわー。と思いつつ見てたら、

シズちゃんのいつもの悪態が聞こえない。


どうしたのかな、と思ってシズちゃんを見た。







「・・・何赤くなってんの?」

「あ、あ、あ赤くねぇええッ!!!!」

「え、ちょ、う、わあああ!!!」








シズちゃんは押しのけようとしたのか知らないけど、

私の手首を掴んだ。

しかも混乱してたからか、誤って私を引っ張った。








で、なんで私はシズちゃんの胡坐の上で

シズちゃんの胸に耳を寄せてる

不可思議な状況になってるのかな?








「う、わ、わ、ど、どけよ!!!」

「・・・心臓速いよ。

 っていうか、引っ張っといてそれはないんじゃないの」

「う、うっせぇええ!」

「・・・・ムカついた」









なんで私が親切に睫毛とってやったのに、

こんな扱いされなきゃいけないのか。

私は黙って立ちあがり、食べかけのお弁当を手の取った。





そして、シズちゃんの胡坐の上にもう一回座ってやった。







「ど、退け!」

「ほらほら、臨美様の椅子になりなよ、シズちゃん。

 どうせ女の子慣れしてないから、そんなに混乱してるんだろ。

 ハイハイ、チェリーちゃん可愛いね。ハイハイ」






よし、これで、やっと唐揚げ食べれる。

唐揚げを箸でつまんで、口元に持っていった瞬間、

シズちゃんの指が、私の卵焼きを摘まんだ。





「ハァ!?」

「テメェみたいな女の椅子になってやってんだから、

 椅子代寄こせ」

「・・それ、今朝上手く焼けたからお昼食べるの楽しみにしてたんだけど・・!」

「・・・甘ぇ」

「しかも人の物食べておいて、感想がそれ?

 私甘い卵焼きが好きなの!」






「どうでもいいけどさー」





新羅が口を挟んだ。














「君たちって、仲良いよね」










「・・・・はぁ?」












私は気づいてなかった。

あまりに違和感がなかったから。

そして、新羅の視線で初めて気づいた。





シズちゃんの片方の腕が、

後ろから私のお腹にまわって

後ろから私を抱きしめてる感じになってた。






多分シズちゃんは、無意識のうちに・・・。













「・・・オイ、何赤くなってんだよ」

「そういうお前が何してんだよ・・ッ」










でも、その手を引き剥がすことができないのは、

どうしてだろうか。





fin.



(ありがとうございました!)
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