(クリパン/21)





その瞬間脳内に響き渡ったのが鐘の音でも祝福のハレルヤでもなく、ガチャリ、手錠だか施錠だかされたそういう音だったのは流石に恥じたい。
恥じたいのだが正直な気持ちだ。
左手に突然ハメられたゴールドのリングは、パンサーの褐色の肌によく映えて輝いていた。
脳の理解が追いつかず、ひたすらにまばたきを繰り返す。

「お前ハメられたって思ったろ」
急所を突かれて、心臓が跳ね上がる。
「い、いやいやいやいや嬉しいよ!!!急だったからびっくらこいただけで…!」

何の前触れもなく『ちょっと手ェ出せ』と言われて差し出したらこれである。
確かに特別な関係ではあると思う。やることもやってはいるしそういう関係がもう数年は続いている。
(しかしこれが恋愛であると言って良いのかはいまだパンサーには確信が持てない)
なのでこういう展開も当然予想しておくべきだったのかもしれない、しれないが…。

「手錠でもかけられたような顔してるぞ」
わっ、エスパー!?
喉元まで出掛かった言葉は辛うじて飲み込んだものの、そんなことしてもエスパーには無駄だった。
「図星かよ」
とりあえず愛想笑いを返してみたが、それが否定ととられたのか肯定ととられたのかは、パンサーにはわからない。

「嫌なら外せ」
「…自分で外せないから手錠なんだよ」

渋々正直な気持ちを伝えると、不満顔から一変、クリフォードの顔に笑みが浮かんだ。
「じゃあ、一生つけてろ」
王子様というには些か邪悪が過ぎる笑み。
初めひやりと感じた指輪は、もうパンサーの体温で温まっている。







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