拍手ありがとうございます!
拍手は現在8つです。
※加藤先生のツイッターネタです。


希少動物とは乱獲の憂き目に会うのが世の常だ。


雪男は一人ため息をついた。
外は猛吹雪だけれどこの洞窟の中は暖かい。
岩が雪を中まで通さないこともあるし、
全身を覆う厚い毛皮があるので寒さを感じることはない。

この洞窟の中は雪男の住処だ。
ゆきおとこという種族は人が雪山で過ごすために進化した生き物といえる。
体は大きく、全身を覆う毛は厚く、
標高の高い人を寄せ付けない山の上でも生活ができる優れた種族だ。

この山にいる雪男の名前は雪男と言った。
ひねりのない名前だけれど、親からもらったこの名前は気に入っている。

雪男は雪山に籠もり、滅多なことでは人前に姿を表さない。

縄張り意識も強いので、よその山に行くことはない。
雪男の寿命は長く、山のうつろいや人の世の変化などを常に見てきた。
もし、人が山を害そうとするならば山を守るために雪を操り、雪崩を起こすこともしている。

雪男は、雪を操る能力に長けていた。
その為、場所によっては山の神とも呼ばれることもある。

雪男にとっては人にどう呼ばれようともどうでもいい。
ただ、静かに暮らしていければそれでいい。
両親も雪男が幼い頃に死んで、それから雪男は一人きりで生きてきた。

雪男は一つの山で一人きり。

洞窟の中で幾つの時を過ごしてきたのか、もう数えることもやめてしまっていた。



ついでに一言あればどうぞ(拍手だけでも送れます)
あと1000文字。