「雲雀恭弥」






「恭弥ぁ、暑いーっ」


「じゃぁ何で君は僕にくっついてるのさっ」



 夏も盛りの暑苦しいとき。


 いくら応接室にクーラーがあるといっても、べったりと


 くっつかれていては暑くて当たり前で。


 じっとしているだけなのに、じんわりと汗がにじみそうだ。



「甘い、甘いよ恭弥。くっついてる人間はあまり暑くないのだ。」



 くっつかれてる人間としては肌が密着してものすごく暑い。


 よくよく考えれば、いつもいつもこの少女は自分に抱きついてばかりだ。


 …すこしくらい、痛い目にあってもいいのではないだろうか。


 応接室の執務机の椅子。


 椅子ごと後ろに向けて、彼女の体をすくい上げる。



「わっ!?」



 なんとも色気のない声を上げて少女は雲雀の腕の中にすっぽりと埋まる。


「ちょっえっ何この状況!?」


「抱きつかれる人間の気持ちを考えてみてよ。」



 じたばた暴れる少女の体を無理やり押さえ込む。


 なるほど、抱きつく方は暑いには暑いが、耐えられないほどではない。


 抵抗するのにも疲れたのか、やがておとなしくなったころ。



「暑い………」



 情けない声を上げて、少女はギブアップ宣言を掲げた。


 しかし、あっさり雲雀が解放するわけもなく。


 しばらくそのまま雲雀は少女を抱きしめ続けたのだった。






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