社長と秘書〜三笠版〜






















とある街のとあるビル。

そこの最上階。

大きな窓から見える景色は、街全体を見渡せる大絶景。

日の光も十二分に入ってきて昼は明るく

月の光も十二分に入ってくるので夜もほのかに明るい。















そんな大きな窓を背にして大きなデスクとイスが一つ。









そこに座るは



























「ん〜かっこいい俺様?」

つぶやいたとたん、頭を書類で殴られる。

殴られた方は顔を机の上に撃沈させ

殴った人間はまるで何事もなかったように振舞う。

「ってぇな。普通社長を殴るか。おい。」

「バカなことほざいてるからでしょ。」

抗議はするがあっさりと封じられる。



イスに座っているのは黒い短髪に目尻が下がった男。

薄いラインの入った黒いスーツに青のネクタイが嫌味なくらい似合っていて

笑顔の一つでも見せればそこら辺の女の子なんて一発で落っこちるだろう。



「本当にバカなこと言っていないで、とっとと仕事してください。」



社長を書類で殴るという暴挙をかました秘書は少し長めの黒髪に猫のような瞳。

ぱっとみ、女の子にも見えそうな中世的な雰囲気をもっていた。



「へいへい。」



「返事は「はい。」の一回でお願いします。」



てきぱきと自分の仕事をこなしつつ秘書は社長に言い放つ。



「全く、うちの優秀な秘書は融通が利かないねぇ。可愛くない。」

「可愛くなくて結構です。」



ほら。口じゃなくて手を動かすという無言の響きを言葉の最後に付け加えつつ。

バタバタと動き回る秘書の姿を、書類の処理をしてるフリでチラリと横目で伺う。



女みたいな容姿と穏やか-自分の前では一概には言えないが-な性格で

社内-特に男-の評判がいいと噂で聞いたことがあるが

確かに納得だなと社長は思った。

まぁ、そんな噂が出てるから自分の下につかわせたわけだけど。



「なぁ、知ってるか?お前の噂。」

「噂?」



知らぬは本人だけってな。



「そう。俺様の秘書の笠井君は可愛らしいから男共から人気が高いって言う。」

「はぁ?」



あからさまに不快な表情を浮かべる。



「なんですか?それ。下手な冗談も休み休みにしてください。」

「それが冗談じゃないんだな。」



片肘を机に置き手は口元へ。

軽くにやっと笑えば笠井の目はますます細められる。



ほらそれは疑いながらも少しは信じ始めたって証拠。



「それじゃ、なんですか?

噂を聞いて心配になって俺を秘書にしたとでも?」



「もちろん。」



物分りの良い秘書のためにも即答。





















「お前のそばに居ていい男は俺だけだからな。」



















自信たっぷりに言えば返ってきたのは

















「それだけの自信を仕事にいかしてください。」















なんて冷たいお言葉。















「でも.........ありがとうございます。」

















なんて可愛らしい言葉もかけてくれるからたまらないんですけどね。



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