拍手ありがとうございます! お礼にヴィク勇SSをどうぞ。 「ねえ、ユウリ。どうしていつも終わった後に自分の部屋のベッドに帰っちゃうの? 睡眠の質が大事だからって、恋人になった後もユウリの部屋のベッドを撤去しなかったけどさすがに毎回帰られると寂しいよ」 「あっ、えーと…僕がここにいるとヴィクトルよく眠れなくない?」 「あんなにラブラブしてたのに冷たいシーツの上でひとり、なんてよく眠れるはずがないと思わない?」 「ほら、マッカチンもいるし…!そこで待機してくれてたよ。マッカチンおいで!」 「うん、そうだねマッカチンもユウリと一緒に寝たいって言ってるよ」 「あはは、は、は……僕ちょっとシャワー浴びてこようかな」 「そんなフラフラの足どりじゃ危ないから俺も一緒に」 「ヴィクトルが一緒に来たらシャワーだけじゃなくなっちゃうだろ!」 「もう一戦したら部屋に戻る体力なくなるかな」 「明日午後から練習!次の日オフじゃないのにしたの、一回だけって条件だったじゃん」 「ぶーぶー! オフ前日にしっかり抱き潰してもよろよろしながら部屋に戻るくせに~」 「あ、やっぱりあれ抱き潰してたんだ」 「やだやだユウリ、行っちゃヤダ、ここで一緒に寝てよ~!」 「どストレートに駄々こね始めた」 「くすん…ユウリ俺のこと好きじゃないんだ…あんなに可愛く泣いて好き好き愛してるって言ってくれたの全部演技だったんだ…どうせ俺じゃなくて俺の身体目当てだったんでしょ!だから」 「なに馬鹿な事言ってんの…僕の喉枯れるまで好き好き言わせたのヴィクトルじゃん」 「うわあああん!行かないで~!!ユウリが朝まで一緒に居てくれないならもう明日スケート行かないからね!せめてなんで自分の部屋に戻るのか教えてよ」 「子供か!……っ、はあ…わかったよ、恥ずかしいから言わなかったんだけど実は僕…」 「実は…?ゴクリ」 「すっっっごい、寝相が悪いんだよね」 「寝相!? まさか理由それだけ? そんなことで恋人のベッドから逃げ出したの!?」 「そんだけって言うけど、もうほんと酷いんだよ…ベッドからは転がり落ちて床で寝てるのはしょっちゅうだし、なんなら廊下で寝てるし実家で何度も障子戸を破ったし…デトロイトじゃ壁ぶん殴って隣の部屋のピチット君を起こしちゃうし」 「もしかしてこの前、夜中にドーンッて音がしたの」 「ごめん僕です…ベッドから落ちました」 「オーケイ、理由はわかった」 「……うん、それじゃ僕は」 「俺がシートベルトになってあげる!安心して一緒に寝てくれていいよ」 「はあ!? シートベルトってどういう意味」 「ユウリがベッドから落ちないように俺が見張っててあげる」 「……ヴィクトルがよく眠れないの嫌なんだ。ヴィクトルだって身体が資本の仕事だろ? 関係を長く続ける秘訣はストレスを限りなく減らすことだって聞いて」 「ユウリ、俺はね。いっぱい抱いていっぱい好きって言って言われて、この幸せの塊を腕に抱いたまま眠りたいんだ。それがストレスなわけないだろう?」 「でも……」 「ねえユウリ、俺たちが付き合っていけばこの先いろんなことですれ違いや不具合が起こるかもしれないけど、起こったときにその都度話し合って調整しよう。起こってもいないことを心配してすれ違うのは馬鹿馬鹿しいよ」 「ヴィクトル……! 僕、僕もひとりで部屋に戻るのは……寂しかった」 「今夜は朝まで一緒にいてくれる?」 「うん、わかったよ。でも、僕が暴れたら容赦なく叩き起こしてくれていいからね」 「オーケイ、そのときは俺のキスで王子様を起こすよ」 「うおん!」 「マッカチンも協力してくれるってさ」 「ふふふっ、ヴィクトルおやすみ。マッカチンも……」 「ヴィクトル……その青あざ……」 「夜の四回転フリップ、成功だったよ…ユウリ♡」 (おわり) |
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