AC後/ZC


「こんな朝は。」



君の体温を
感じながら眠る

君の鼓動を
感じながら眠る

それは
とても温かくて
とても幸せなこと




赤く染まった木の葉も散り始めた、
秋も終わりの頃の早朝。


何でも屋を営む2人の青年のお話。




「ん、」

冷えた朝、クラウドが目を冷ます。
ボヤけた視界のその先には、自分の同じ色の魔胱の瞳の青年の微笑んだ姿が見えた。


「おはよう、クラウド。」



「・・・おはよう、

ザックス・・・。」


何時から起きていたのか、
ザックスは目を冷ましたクラウドを見て微笑みながらその額にキスを落とした。




「まだ眠いか?」

ザックスはまだ、
開ききらない目でぼーっとしているクラウドを見て問う。

「ん・・・

いや・・・

大丈夫・・・。」

クラウドはゆっくりと寝起きの掠れた声でそう答えた。

ザックスは、お前は相変わらず寝起きが悪いなと笑った。




クラウドは朝が苦手だった。
低血圧な事もあり、朝はなかなか思考が働かないし、体も動かなかった。
特にこんな冷えた朝は。



「今日は、久しぶりに休みだな。

2人で買い物でも行こうか。」

「・・・そうだな。」


「ん、」

クラウドは体を丸め、ザックスの胸に顔を埋めた。

「どうした?」


「寒い・・・。」


「そうだな、最近ぐっと冷えたからな・・・。

温かいコーヒーでも淹れようか?」

ザックスがそう言って起き上がろうとするとクラウドに体をぎゅっと抱きしめられ、それを制止された。

「クラ?」


「・・・もう少し・・・」

「え?」






「もう少し、このまま。」



クラウドはそう言って、
ザックスの体に腕を回したまま胸に顔を埋めた。




「そうだな。」



ザックスは、優しく微笑んで
クラウドをぎゅっと抱きしめた。






ザックスは朝が好きだった。
愛しの人がいつもは決して見せない姿を見せてくれるから。
特にこんな冷えた朝は。



君の体温を
感じながら眠る

君の鼓動を
感じながら眠る

それは
とても温かくて
とても幸せなこと








END


拍手ありがとうございます。(^^)

朝が苦手で朝だけやけに甘えたなクラウドと確信犯なザックス。



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