拍手ありがとうございます!お礼SS、斯波→百合子(蝶毒)編です。
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(現在お礼SS蝶毒1種、アルカナ1種、AMNESIA1種、うたプリ1種です。)


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 俺の愛した野宮百合子は、どういうことか、俺のではない苗字に変わってしまった。
 斯波百合子でないのなら、その苗字が何であれ、もうどうでも良い。
 彼女は、俺の中で、ただの百合子となった。
 ―ゆりこ。
 それしか分からなかったあの待ちぼうけの長い年月に戻っただけだと思うと、少しばかり気が楽になる。


 彼女は、俺ではない男を選んだ。
 少しでもあの笑顔が翳るような事があれば直ぐにでも奪ってやろうと思ったのに、
 彼女の新居に足を踏み入れたとき―見たのは、見たことのない、曇りも陰りもない笑顔だった。


 ―その笑顔が向かう先は、俺ではない男。ただ、それだけの単純な結末。



 この悲劇だか喜劇だかの登場人物であるなら、俺は主演男優などではない、ただの狂言回しだった。そう、ただ、それだけのこと。



 ――だがね、主演女優もその相手役もまだ気付いていないだろうが、これはまだ第二幕が下りたところに過ぎない。
  演劇に起承転結があり、其れを人の一生に当てはめるというのであれば、本当の結末は死ぬまで分からないだろう?

 …そう、俺は諦めはしない。


 百合子さん、あなたを好きだったよ、ずっと。そして、これからも。

 今は笑っている主演男優も、見ているがいい。―終幕で百合子さんと手を取り笑うのは貴様などではない。―きっと、俺だ。




――『好きだった、ずっと』(少し不思議で5つのお題/0-field.さまより)








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