拍手ありがとうございます。快斗が太る話 1~13の続きです。2015年10月4日更新、22話まで。


快斗が太る話 14


俺は、すーっと一回大きく息を吸い込むと、
「ち~いさいころ~は~か~みさまがいて~♪」と、うろ覚えの歌詞で歌いはじめた。
かの松任谷由実が歌った、魔女の宅急便の主題歌だ。
魔女の呪いを解くハンガリーの伝説。
それは歌だ。
歌姫が、その大きな歌声で魔女を退治したらしい。
「ら~らららららら~、ららら~らららら~♪」
早速うろ覚えでハミングになってしまったが、それでも俺は動かない体で懸命に歌った。
まさか日本の魔女にきくとは思わなかったが、他に手はないのだ。
音痴音痴と言われて、ちょっと歌は苦手だが、俺は偽名君のためなら、頑張れる。
自慢じゃないが、絶対音感も備えている。
なんだか自分でも前より少しはマシに歌えてる気がする。
なぜ覚えてもいないのに、この歌かというと、魔女つながりというだけで、特に意味はない。
すると、目の前の紅子とかいう魔女もどきが
「ううううううう」
と、うめきだした。
「な、なんなの、み、耳が…頭が痛い」
俺はさらに大声で歌った。
「ら~ららららららら~♪ららら~らららら~♪」
もはや原曲が思い出せないが、とりあえず一応歌に聞こえるよう歌い続けた。
「ううううう、やめて」
と、呻く美女に気を取られていたが、ふと見ると偽名君も苦しんでいる。
「ぐっぐぐぐぐぐ」
俺はどうしようか迷いながら歌い続けた。
すると偽名君に不思議な変化が起き始めた。
なんと見る見る間に、痩せていくのだ。
あんなにやっても元に戻った体が。
しゅーっと、風船が縮むように。
まさか俺の歌の影響か?
そう気づいた俺は、変化を観察するために、さらに歌い続けた。



2014.0415




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