もしも魔法少女リリカルなのはが週刊少年ジャンプで連載してたら おまけ

「無理だよ続編とか……最終決戦のつもりでなのはを最強にしちゃったんだから、これ以上強いキャラなんて考えられないよ……」

 漫画家・都築真紀は机に突っ伏していた。
 最初に使っていた丸ペンはどこにやら、すっかり手に馴染んだGペンの切先のインクが乾いている。
 そこへインターホンが鳴り響く。複数回インターホンを連打してこの仕事場を尋ねるのは1人しか思い浮かばない。

「担当の新房さんか……開いてまーす……」

「お邪魔します先生。原稿の進み具合はどうでしょうか……真っ白ですね、もう少し頑張っていただかないと締め切りが」

「誰のせいだと思ってんですか!? 僕は終わるつもりで書いたんですよ!? その後の展開なんて考え付きません!」

「あははは、大丈夫です先生。もはやリリカルなのはにストーリーなんて読者求めてませんから」

「さらっと酷いこといわないでくださいよ!? いまめちゃくちゃ傷つきましたよ!?」

「毎回毎回の盛り上がりとお洒落なセリフ、キャラクターの格好よさがなのはの売りです。人気も売り上げもいまの連載陣の中じゃトップクラス、書けば売れるんですから」

「それでいいんですかジャンプ!?」

「もちろん、それでいいんですジャンプ。これで週刊誌の頂点取ったんです」

「そんな頂点嫌だー!?」

「とりあえず敵の設定なんて後付けでいいんで、とにかく強そうでカッコいい敵を出しましょう」

「だからそれが思いつかなくて……もう普通の魔導師なんてゴミみたいなものですよ?」

「そうですねぇ……なら困ったときはジャンプの伝統芸で行きましょう!」

「伝統芸?」

「生き別れの兄弟」

「生き別れの兄弟って伝統芸だったんですか!? というかなのはには既に兄と姉がいますよ!?」

「プレシア戦で適当に考えたなのはがアルハザード人の血を継いでいたという設定を利用します。実はなのははアルハザード人が地球を征服する為に赤ちゃんの頃送り込んだという設定で。高町家はそのなのはを拾って育ててたことにしましょう」

「どっかで凄く聞いたことあるんですけどその設定!? もろパクリじゃないですか!?」

「オマージュと言っとけば済むんでこの業界」

「済ませんなああああああぁ!?」

「そうだ、以前考えたなのはの友達の八神はやてって子がいたじゃないですか」

「ああ……まだバトル路線に突っ走る前に考えた彼女ですね。病弱で車椅子に乗っていて、本当ならなのはが魔法で助けて親友となるはずだった……どうしてこうなった……」

「彼女を姉として出しましょう。アルハザード人の幹部で、性格は鬼畜有害の冷徹、使えないと判断したら部下さえも切り捨てる最低なキャラで」

「どうしてそうなったあああああぁ!? だあああああああ! もうどうにでもなれー!」



 ■■■



「ユーノくん、フェイトちゃん、クロノくん、リンディさん……プレシアを倒した、全て終わったんだよ……」

「くくく、ようやく見つけたで……」

「誰!? ――なっ、なにこの圧倒的な魔力は!?」

「私は全次元支配を企むアルハザード帝国の幹部八神はやて!」

「アルハザード帝国!? そんな、アルハザードの民は私を残して全滅したはずじゃ……!?」

「ふふふ、それは時空管理局にわざと漏らした虚偽の情報。アルハザードの民は永遠不滅! さあなのは……今こそお前がこの地球に来た理由を思い出せ! 私と一緒にこの地球を征服するんや!」

「嫌だ! 私にそんな邪悪な誘いは勧誘禁止なの! 私は地球育ちの魔導師、高町なのはだよ!」

「ちっ、アルハザード人の恥さらしめ……姉のいうことが聞けへんのか?」

「――いま、なんて……!?」

「認めたくないようやね……でもこれは真実――お前と私は実の姉妹やったんやー!」

「な、なんだってー!?」

 ※衝撃の事実! 衝撃の展開! 魔法少女リリカルなのはA's始まります!



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「先生、A'sに入ってなのはのアニメ人気凄いですよ!
 DVDの売り上げも視聴率も現在のアニメじゃほぼトップですし劇場版二作目も決定してます! やっぱりゴールデンタイムの放送効果は素晴らしい。また本が売れちゃいますね」

「また劇場版……最初の劇場版って無印のアニメを編集してちょっとだけ新規カット入っただけの作りで一部じゃ凄い不評じゃないですか……」

「アニメ会社はぼろ儲けだったっていって喜んでました」

「僕は全然喜べませんよ!? 大体なんでA's編のオープニング主題歌が影山ヒ○ノブさんなんですか!?
 魔法少女ってレベルじゃない熱さでしたよあれ!? 前作は水樹奈○さんでまだ魔法少女っぽかったのに!」

「あははは、もうなのははリリカルというよりグラップラーの域に達しちゃってますからねー。
 ファンの間では魔法少女じゃなくて魔砲漢女(まほうおとめ)なんて呼ばれてますし」

「僕の魔法少女を返してください!」

「いいじゃないですか! 魔砲漢女グラップラーなのは! カッコいい!」

「チャンピオンでやってえええええぇ!」



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