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俺の知らない人が、俺の周りにたくさんいて、俺のことなんて全く気に留めずに歩き回っている。

俺が見てることに気がついていないのかな?
それとも、俺のことに気づいていないのかな?

どんなにたくさん人がいたって、俺に気づいていないなら、それはいないのと同じ。

けど、いつまでも、いつまでも“いない“が不規則に俺の周りを動き回っていて、それは、なんだかとっても気持ち悪くて…。

このまま“いない“に飲み込まれちゃったら、俺もいなくなっちゃうのかな?って思ったら、凄く怖くなった。

だから、自分を確かめるように、しっかり両腕で自分を抱きしめた。

足元から溶けちゃったらどうしよう。
そんなこと考えたら、下も見られなくなった。

仕方なく顔を上げたら…俺のこと、見てる顔を見つけたよ。

どんどん近づいてきて、目の前まで来たら…デコピンされた。

「何泣いてんだよ?」

泣いてないって言いたかったけど、俺のこと見てる顔が滲んじゃったから、言えなかった。

だって、怖かったんだよ。俺、このままどこにもいなくなっちゃったらどうしようって、ホントに思ったんだよ。

「ほら、帰るぞ。」

そう言いながら差し出された右手に、俺は急いでしがみついた。



そして、俺は、俺のことを知っている世界と繋がった。



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