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【アリーナ姫とミーティア姫のお茶会】




 ある日の昼下がり。ミーティアとアリーナは、武術の手合せを終えた後、優雅なお茶会を開いていた。
良い香りのする紅茶と、ほんのりと甘いお菓子の数々。
お喋りより体を動かすことが好きなアリーナも、ミーティアと話すことは好きだ。
二人で話す時は、時間を忘れてしまうのが常だった。

 これは、そんなお茶会のお話し。

「アリーナの、好みのタイプって何ですの?」
「うーん……タイプっていうか、条件はあるけど」

 その条件は? とミーティアが尋ねると、アリーナは指を一本すっと立てた。

「一つ目、私と互角に戦える人。出来れば戦士系がいいわね」
「その時点で大分絞れてきますわね」

「二つ目、私が無茶なことをしても怒らない人」
「成程。見守ってくれる方が良いのですね」

「最後に、この国のことを任せられるくらい賢い人かな」
「一国の姫であれば必須の条件です、分かりますわ」

 うんうん、と頷き、ミーティアは身を乗り出した。

「それで、その条件に当てはまる方はいらっしゃるの?」
「流石にいないかな。それより、ミーティアの好みは何なの?」

 さらりと流され、ミーティアは少し不服そうな顔をする。
だが、すぐに自分の好みについて問われ、少し考えた後、指を一つ立てる。

「一つ目、エイトと一緒にいても怒らない人」
「分かる! 私も、クリフトと一緒にいて怒る人は嫌だもの」

「二つ目、戦争になっても生き残りそうなタフな人」
「ああ、サザンビークと最近険悪だものね。それは必要だわ」

「最後は、行動力のある人ですわね」
「国を引っ張ってくれるような人、ってことね。
 それで、その条件に当てはまる人は?」

 そう尋ねられると、ミーティアはぽっと頬を赤らめた。

「実は、一人だけいますの」
「えっ!? 誰なの? どんな人?」

「アリーナ、貴方ですわ」

 そう言われ、アリーナは暫く考え込むとゆっくりと口を開いた。

「……よく考えたら、私の条件も、ミーティアに当てはまるかも」
「じゃあ、私たち両想いですのね」
「そうなるわね。結婚でもする?」
「良い考えですわね。お父様に報告しなければ」

 うふふ、と笑い合う二人の姫君。その様子を見ていた両国の近衛兵たちは、
(どちらかが男だったら、我が国は安泰だったのになぁ)
と、残念がっていたとか、いなかったとか。



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